とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「ストレートに言うと・・・フツーの『おじさん』ってカンジだったよ つぶらな瞳が印象的・・・ってくらいかなぁ・・髪も短くて特に特徴がナイっていうか・・・」


「そう・・・」


由里はナルゴではなかった事に少しホッした


病室に着き 由里はストレッチャーから病院のベッドに身体を移された


「お母さん 入院手続きの書類にご記入頂きたいのでナースステーションまでお越し願えませんか?」


由里をベッドに移すと 年輩の看護士が由里の母親にそう告げた


「あっ あぁ・・・そうなんですね!じゃぁお母さんちょっと行ってくるわね!紗英ちゃん もう少し待っててね 書類を書いたらおばさんがタクシーを呼んであげるから それでお家に帰ってね」


由里の母親は病室を出際に2人にそう言った


「いえ!おばさん大丈夫です 私さっき家に電話しましたから! そしたらお母さんが迎えに来てくれるって言ったんでそれで帰ります」


「あら そぅお? 紗英ちゃんのお母様にも申し訳ないわねぇ… 分かったわ じゃあ行ってくるわね」


そう言うと 由里の母親はパタパタと病室を出て行った


由里の母親が居なくなると個室の病室はシーンとした


窓にかかっている白いカーテンは 外の暗い夜の闇を隠すようだった


「紗英・・・」


そんな静けさの中 由里は紗英に話しかけた






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