とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「退院したら・・金子さんにも・・・お礼言わなきゃね・・・」


由里がそう言うと 紗英は少し困った顔をした


「それがね・・

救急車に乗り込む時 私だけ乗るように言われて・・・

その金子さんも忙しいだろうから 私もそれでいいかな・・って思ったんだけど 

電話番号か住所を教えて下さい!って言ったら そんな事はいいから早く行きなさい!って言われて・・・

苗字だけやっと教えてもらったんだ・・・・」


「そうなんだ・・・」


「うん・・・あっ・・でもね・・・由里の事心臓マッサージしてる時にこんな事言ってた!」


「なに?」


「なんかね・・・同じ心臓マヒで金子さん奥さん亡くしたんだって

それもごく最近らしいよ!
しかも由里が倒れていた所と通り1本違う所だって

 奥さんを助けられなかった分 自分がこの子を助けるんだ!って・・・

心臓マッサージしながら 自分にそう言ってるカンジだった」


「そうだったんだ・・・」



コンコンッ! ガラガラガラ・・・

病室のドアが3分の1ほど開いた


「お母さん!」


ドアを開けたのは 紗英の母親だった

紗英の母親は 由里が意識がある事に気が付き 由里と目を合わせると


「由里ちゃん 大変だったわねぇ・・・もう大丈夫なの?」


と話しかけた


「はい 大丈夫です… 紗英は命の恩人です・・・」


由里がそういうと 紗英の母親は目尻を下げて笑った


「そんなの大袈裟よぉ でも由里ちゃんのお母様も一安心ね 
良かったわ 思ったより元気そうで!」


パタパタパタパタ・・・

調度そこに由里の母親が 今しがたナースステーションから戻ってきた


「あら 紗英ちゃんのお母様!

今日は本当にすみませんでした

紗英ちゃんにもお母様にもご迷惑をおかけして・・・」
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