そこから先は
        *



少し痩せたな…



ダイエットしようと思ってもなかなか成功しなかったのに、こんな事で痩せるとは思ってもなかった。



脱衣所にある大きな鏡で自分の姿を見ながら思った。



ここに来てから、1日2食だし当たり前か。



でも、自分の家に居るときよりもよっぽど規則正しい生活をしているような気がするよ。



初めて風呂に入らせてもらった日から毎日風呂に入らせてもらっているが、今はもうそれが当たり前になっている。



かなりこの生活に馴染んでる気がする。



男はあたしが風呂に入る度に洗いたてのバスタオルとパジャマを用意してくれるし、髪も乾かしてくれる。



でもまだ男の顔は見ていない。



見てしまうと、この不思議と心地よい生活が終わってしまうような気がするから。



あたしはそうなってしまうことがイヤで、男の顔を見ようとしなかった。



それにしても…



この男は一体何がしたいのだろうか。



ただの誘拐ならさっさと取引して終わらせた方がいいんじゃないのか?



『お前の家に電話した』と言われた日から何の動きもないようだが、話は進んでいるんだろうか…
< 82 / 133 >

この作品をシェア

pagetop