嘘と嘘で始まる
お互いの肌を合わせて、心も合わせて、ベッドの中で見つめられるこの時が、不意に信じられなくて。

そっと頬をつねってみる。
あ、痛い…。

「夢じゃねえから。夢みたいに嬉しいけど、夢じゃないんだ」

「うん…」

抱き締められて。そっと目を閉じる。

「俺…実菜に彼氏がいるって聞いたとき、すげえショックで。彼女いて、大切に思ってるのになんでだあって落ち込んだ」

「…そんなの全然わかんなかった」

「ばれないように予防線はったしな。彼女の事大切だから、他には考えられないって言いまくって。
…そん時に、彼氏いる女は気楽だとかなんとか言ったんじゃないかな。…彼氏がいてる実菜の側にいやすいように」

「……」
< 37 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop