先生の秘密は恋の予感
まずい、加東がこっちを見た。



目あっちゃた、ヤバい。



ここから逃げたらホスト野郎に捕まるし。



どうする、佳奈実?



その時ドアが開いた。



私は加東に背を向け、逃げようとすると、首根っこを捕まえられた。


ひぇ〜。



「助けてぇ〜、私なにも見ていませんから。」




「何も見てないだと。」



「はい、生徒と抱き合ってた事は、決して見ていませんから。」



加東がニヤリと笑う。



「佳奈実はいい度胸してんな。」



加東が私を見る。



さっきまでいた三年生がいない。



「彼女は?」



「とっくに追い出した。あの女は何回振っても平気で来るし、俺は生徒に手出すほど、女に困っちゃいねぇの。」


分かりましたから。



「はい、そうですか、でわ、この手離して下さい。」



離せ。



「そうはいかないな。この手は離さないよ。」



な、なんなんですか?



「佳奈実に頼みたい事がある。」



「私に頼みたい事って。」



「そう、佳奈実をモデルに絵を書きたい。」




絵、モデル、ヌード。



ダメダメ無理です。



「私はヌードなんかになれませんから!」


はぁ、疲れた。


加東先生は生徒に手を出さないんじゃなかったの。







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