しなやかな腕の祈り
小鳥と、叔母さんが一馬たちを急かす声で目が覚めた。
「………ん???何時……???」
ボサボサの頭をかきながら、目覚まし時計を見た3秒後…家中にあたしの絶叫が響き渡った。
「やばいやばいやばい!!!遅刻する遅刻!!!!」
昨日から叫び続けている気がする。
髪の毛を一本にまとめ、白のニッカとベストを急いで纏う。
あたしの仕事は、女じゃ珍しい鳶。
高校をでてすぐ、この仕事に就いた。
夏は暑いし、冬は寒い。
異常なくらいに朝も早いし何より命懸け。
「叔母さん何かちょうだい!!何か!!!」
「何かって…何???」
静香叔母さんは、超ド級の天然さんだ。
「パンでもバナナでも何でもいいから!!!!何かちょうだい!!!!」
焦りまくってバタバタしているあたしの後ろで、おばあちゃんが笑いながら食パンをかじっている。
「行ってきまぁぁす」
ベビーカステラを4個口に突っ込んで家を出た。
現在時刻、午前6:15。
今日から仕事で、現場に直行して集合は6:30と段取りが組まれていた。