しなやかな腕の祈り
今、自分の頭の中は
舞台の事でいっぱいになっていると言うこと。
ハッキリ言えば、啓太どころじゃ
なくなっているということ。
無駄な時間を過ごすなら
僅かな時間でも練習に使いたいこと。




お母さんが見に来てくれるから
この主役をモノにして
舞台に立ちたい。
観客を圧巻するバイレを
感動させるフラメンコを…





あたしの頭の中には今、それしかないということ。






啓太は黙ってあたしの話を聞いていた。

もっと言い返してくると思ったのに
啓太は何にも言わず真っ直ぐ前だけ見て
相槌すら打たず運転していた。



あたしは、間違ってたのかな。


啓太の心なんか関係なかったから
あんな事言えたのかな。









「あたしには、フラメンコしかいらない」









初詣は、まるっきり暗いものになってしまった。
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