満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
4 神に使える者

4-Ⅰ

空には太陽。

それは「今は自分の時間だ」とでも言わんばかりに空に座り込み、ギラギラと輝いている。

昨夜、誠は綾香からアノ女のような人間にあったらとりあえず逃げるように、とだけ言われて家の前に落とされた。

もちろん、数々の誠の疑問はほったらかしのまま。

ハァ~

誠は煙草をくわえたまま、解決されない疑問にため息をついた。

疑問を解決するためには綾香に訊かなければならないが、綾香は答えてくれるだろうか。

…なんか、答えてくれない気がする。

誠は煙草の煙を吐き出しながら再びため息をついた。

「ため息ばっかりついてると、幸せ逃げるよ。黒岡君」
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