36.8℃の微熱。
バンッ!!
「先生、いい加減にしてくださいよ!あたしだって暇じゃないんですよ!? もうすぐ暗くなっちゃうし、そうなったら見つけられなくなっちゃうんだから!」
先生の全部にムカムカきたあたしは、教壇に右手を叩きつけ、キッと睨み上げた。
あたしの理解力が乏しいだけ? なんてちょっとは思ったけど、もう我慢ならなかったんだ。
何度聞いてもはぐらかされるだけで、一向に話も見えてこなくて。
そのくせ、挑発するような不敵な笑みときたもんだ。
気が長い性格のあたしだって、さすがに怒り狂ってもおかしくない・・・・っていうか、当然だ。
すると、フーッ!! と鼻息も荒々しく見上げるあたしを先生も見下ろしてくる。
・・・・くそ、まだ不敵な笑みだ。
「江田ちゃんさぁ」
「なんですか!」
「ん〜。コレ、なぁんだ」
「・・・・へっ?」
先生がおもむろにズボンのポケットから取り出したのは・・・・。
「なななな、なんでっ!?」
見間違うはずがない。
正真正銘、あたしの携帯だった。