36.8℃の微熱。
「・・・・まぁ、そんな夢見ちゃったらねぇ。勝手に気まずくなるのも分かる気がするなぁ。タイミングもばっちりだったしねぇ」
全部を話し終わると、ユカちゃんはまずそう言った。
それから一呼吸置いて、さらに言葉を続ける。
「でもそれって、浅野君に失礼にならない? 見ちゃったもんは仕方ないよ。にしても、あからさますぎなのよ茜ちゃん」
「・・・・だよねぇ。反省してます」
「嫌いでもちゃんといいとこあるんでしょ? その先生」
「うん」
「だったらそれを言えばいいんだよ。浅野君が先生を知らないのは当然なんだから」
「おぉっ・・・・!!」
なんて頼りになるんだユカちゃん・・・・いやっ、ユカ様!!
そうなの、そうなんだよ。
王子の言葉は嬉しかったけど、事実あたしの胸はチクッと痛んだ。
王子が先生を知らないのは当然、だったら言えばいい。
そっかそっか、なんだすごく簡単なことだったんじゃんっ!
「ごめんユカ様!あたしやっぱ、図書館には一人で行く!」
「・・・・ユカ様?」
「んじゃ!!」