36.8℃の微熱。
ふて寝、ねぇ。
王子は一体何にふてくされのさ。
でもたぶん・・・・いや、間違いなく原因はあたしにある。
「ユカ様ごめん。なんかあたし、怒らせちゃったっぽい」
『はぁぁっ!?』
「ごめんね」
『いやいや、あたしに謝んないでよ、相手が違うし!とりあえず帰っておいで。話はそれから』
「うん」
そうして、いそいそと教室に戻ったあたしだったけど。
その途中で、はて、と足を止めることになった。
目に入ったのは、上級生と思われる男子生徒と女子生徒。
人目にはつきにくい別棟へつながる廊下の端っこで、どうやら男子生徒が告白をしているもよう。
ここを通りすぎたほうが近道なんだけどな、引き返そうかなどうしよう・・・・と考えているうちに声が聞こえてきた。
「なんでアイツのことばっか言うんだよ。普通に妬くんだけど」
「だって・・・・」
「だってなんだよ。俺はお前が好きなんだ。アイツになんか負けてたまるかってんだ!」
「・・・・」
「覚悟しとけよ? ぜってー振り向かせてみせるから!」