36.8℃の微熱。
「えっ? ちょっ、待っ・・・・ひぃだ!ひだだだだだっ!なんふぇ? ゆふぁ様、なんふぇ!?」
「うるっさい!これで少しはヌケた頭も元に戻るでしょうよ!」
と、スッと伸びてきた手に戸惑うことしかできなかったあたしは、ギリギリ歯ぎしりをしながら言うユカ様にほっぺたをビョーンと伸ばされてしまった。
しかも両手で。
ものすごく痛い、ホントに。
そして、そんなあたしに追い討ちをかけるように、さらに引っ張る力を強めたユカ様は一言。
「頭冷やしてもう一回よーく思い出しなさい!! こんの、アホ!」
最後に思いっきりほっぺたを引き伸ばし、もう伸びないという限界のところでようやく手を離した。
ボヨヨン!
その反動で、そんな効果音がぴったりなくらいの勢いでほっぺたの肉が戻ってくる。
実際にはそれほど伸びていたわけじゃないだろうけど、体感した感じじゃ、こんな感じだ。
「ほぉ〜、痛かったぁ。ちょっとユカ様!いきなりはやめてよね、いきなりは!あたしにだって心の準備ってもんがさぁ!」
「ケッ。何言っちゃってんのさ」