36.8℃の微熱。
 
ユカ様も先生もあたしも、2人の事の成り行きをただ見ているしかできなかったけど・・・・。

マリアンヌさんのお説教には、胸にジーンとくるものがあった。

たとえ昼と夜で性別が変わって見えても、ネグリジェを着て木刀を持っていても、あたしたちに愛を持って接してくれている。


「・・・・ごめんなさい」

「分かればいいのよ」


王子もそれを分かって、マリアンヌさんに頭を下げた。


「茜も、宇佐美さんも、ごめん」


そして、あたしたちにも。

あたしたちは「・・・・う、うん」くらいしか言えなかったけど。

なんだか急に潮が引いたみたいになっちゃって、ほかに言葉が見つけられなかった。


「さ、これで一件落着ってトコかしら? 3人とも早く寝なさい。先生は、とりあえず上に着てね」


それを見たマリアンヌさんは、景気よくパンパンと手を叩いて場の空気を変え、ニッコリ笑う。

ちょっと放心していた先生は、そこでやっと自分が裸だったことに気がついたみたいで。

「あ、はい」なんて言って、胸の辺りを隠すような素振りをした。
 

< 234 / 555 >

この作品をシェア

pagetop