36.8℃の微熱。
それにしても、ここまで戻らないとそのタイミングがない。
今はあそこがあたしの家なのに、家なき子じゃあるまいし。
───すると。
ピリリリ ピリリリ♪
ポケットの中の携帯が鳴った。
急いで確認してみると、それはありがたいユカ様からのメール。
━━━━━━━━━━━━━
From ユカ様
Sub. 帰還命令(`◇´)ゞ
浅野君は部屋にいるし、
先生はお風呂に行ったよ。
今なら大丈夫。
ご飯食べに帰っておいで☆
━━━━━━━━━━━━━
何も話していないのに、どうしてユカ様には分かっちゃうのかな。
それに、一人にもしてくれて。
━━━━━━━━━━
To ユカ様
Sub. 了解!
帰還するであります!!
(`◇´)ゞ
━━━━━━━━━━
そう短く返信を打って、あたしはようやく重かった腰を上げた。
風邪、引いちゃう前に戻れることになってよかったな・・・・。
ザザーン、ザザーンと寄せては返す静かな波音を聞きながら、海の家までの道をゆっくり歩いた。