36.8℃の微熱。
 
少しすると、大きなあくびをしながらユカ様が、それに続いて王子も一階に下りてきて。

先生は、今日も大量のゴミと一緒に外から戻ってきた。


あれから毎日浜でゴミを拾っている先生は、次の日からはマリアンヌさんにゴミ袋を預けられた。

「先生の行動には頭が上がらないけど、洗濯するアタシの身にもなって!大人なんだからっ!」と、叱られたらしい。

ユカ様情報だ。


「じゃあ、いただきましょうか」


5人全員がテーブルについて準備が整うと、マリアンヌさんのその声で朝ごはんが始まった。

今日も暑いね〜とか、荷物の整理は終わってる? とか。

そんな他愛のない話をしながら、お味噌汁や目玉焼きをつまむ。


あの日、王子に告白されて、先生には泣きそうな顔だと言われて。

それで、2人に合わす顔がなくて浜に一人でいた日のことは、みんなが触れないでいてくれた。

・・・・先生も王子も。


ユカ様には包み隠さず話したけれど、それについてユカ様はなんの意見も言ってこなかった。

当たり前だよね。

あたしの問題だから。
 

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