36.8℃の微熱。
 
“も”に不思議に思いつつも、あたしは先生を目で追いながら、そう会話を続けた。

聞いてみなくちゃ分からないのに“聞いても分からない”と言う先生にはムッとなるけど。

でも、なんだかんだ言っても教えてくれるだけありがたいから。

いつものように柵に背中を預け、タバコに火をつけ、ふぅと煙を吐き出す先生の話を待った。


「・・・・それはね、歳の差」

「歳の差?」


そう、と頷く先生。

あたしは逆に首をかしげた。

確かユカ様とサトルさんは3歳しか離れていないはず・・・・それって気にするほどの差なのかな。


あたし、サトルさんの誕生日は知らないから、もう4歳差になっているかもしれないけど。

だとしても、その差だって少しだけ。気にするほとには思えない。


「やっぱ分かんないか。あのね、厳密に言うと、自分が今置かれている立場の問題」


そんなあたしを見た先生は、またタバコの煙を吐き、そう言った。

今日は立場続きだな。

むぅ・・・・。


「また立場ですか」

「そうなるね。難しいトコだよ」
 

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