36.8℃の微熱。
 
その子とはめでたく友だちになれた───わけではもちろんなく。

「ごめん!これに書いて!」と慌てて手帳を開いたときには、ユカちゃんはあたしの前からいなくなっていた。


せっかく友だちになれるチャンスだったのに・・・・。

はじめて話しかけてくれた子だったのに・・・・。

あたしの携帯ぃ〜。





───*。゚



そうして今になるわけだけど、なんで脅迫まがいのことをされているかというと・・・・。

答えは簡単。

悪魔がか弱い子羊の大事なものを拾ってしまったから。







「江田ちゃ〜ん!」


その悪魔は、諦めかけていたところに唐突に現れた。

しばらく声を聞いていなくても、もう二度と顔を見たくなくても。


「ギャッ!か、片桐!・・・・先生」


一瞬で全身が拒絶反応を起こしてしまう、まさにその人だった。


「なんだよ、ツレない顔して〜」

「い、いえ・・・・」

「はは〜ん、俺に会いたくなかったってとこだな。図星でしょ」


へい。その通りです。
 

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