36.8℃の微熱。
 
けれど・・・・。

期待は裏切られてこそなんぼのものなのか、それとも単なるあたしの思い過ごしなのか。


「どうせ暇でしょ。ちょっと塾までつき合ってくんない?」

「えっ? 暇って・・・・。っていうか、あたしの携帯は?」

「まぁまぁ。着いたら分かるよ」

「・・・・」


んんん??

さっぱり分からないんですけど。

・・・・と、期待は見事に空振りし、ワケが分からないまま塾に行くことになってしまった。


塾に着くまでの間、微妙な距離を取りつつ後ろからついていったあたしは、何度も聞いてみたんだ。

でも先生は、はぐらかすだけ。

結局「ここで待ってて」と空き教室に案内され、ぽつんと1人、待つことに・・・・。


「早くしないと暗くなっちゃうのに。どういうつもりなんだろ」


はぁぁ〜。

ため息だって出るってもんだ。


学校帰りに駅員さんに聞いてみたけど、今日は携帯の落とし物は届いていないらしい。

電話ボックスから携帯にかけてもみたけど、誰も出なかった。

探せるところは探したんだ。
 

< 9 / 555 >

この作品をシェア

pagetop