愛されて
始業式の次の日は1〜5時間目まで…
実力試験だった。

実力試験が終わり、みんな…喜んでいた。

帰りのホームルーム。
担任の大沢先生が重大発表をした。
「来週の月曜日から、このクラスに転校生が来ます!!」
大沢先生の言葉にみんなが拍手した…

「男?女?」
男子が聞いた。

「それは秘密だ…」

私たちは来週の月曜日が楽しみになった。

でも…
その転校生が私たちの日常を変えるなんて思ってもみなかった。

帰りのホームルームが終わると…
私は雪と麻美と一緒に部活に向かった。
私たちはバレー部に所属している。

おばあちゃんも…
ママも
私が部活をすることには反対だった。

「部活をやっても何の役にもたたないけれど、部活をしないで勉強していれば、勉強は受験に役立つでしょう…」
と言った。

私はどうしても…
部活に入りたかった。

部活に入らないと、
「あの人は部活しないで勉強ばかりしている。がり勉ってあだ名がついていじめられるよ…」
と話を聞いたからだった。

今なら嘘って分かるけれど…
中学生になったばかりの私はそれを信じた。

それに…
いじめられるなんて。
まっぴらだった…

だって、家でも安らぐことのできない私が…唯一安らげる場所は学校だった…

私はママとおばあちゃんに。
「部活に入っていると内申書がよくなるらしいよ…」
と言った。

ママは…私が週に3日、塾に通うことを条件として。
部活することを許してくれたのだ…

そして…私たちは今、7月にある大会に向けて、部活を頑張っている。
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