真紅のジョリーロジャー
「そんなことあったなんて知らなかった…」
「あんま深刻そうな顔すんなって。大丈夫だからさ」

しんと静まった部屋に、な?というヴァンの声が響く。





今まで口を閉ざしていたセピアが唐突に言葉をこぼした。


「でも、それで海賊になるってことはやっぱり…気にし―」
「煩いっっ」

言葉が言葉を遮る。
ヴァンの膝の上で握られた拳が力なくほどける。

「ごめん…俺ちょっと変だわ」
「私…も言わなくていいこと言っ…た」

2人がうつ向く。



「はいっ!もういいでしょ?じゃぁ本題に入るわよ。」

トリアは場に合わない明るい声で言い
パンっと手を叩いた。
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