十和の時
電車を降りて駅前に出る。
「とりあえず、あれ食べない?」
十和の指さしたのはもちろんアイス。
痩せの大食いの十和は、好き嫌いめちゃくちゃいっぱいあるくせに
食べれるものはイツキよりも量を食べる。
その小さい体のどこに入るんだというくらい食べる。
「そんなものどうでもいいから。布探しに行くよ!」
基本そんなに食べない依織は十和を置いて
ずかずか行ってしまった。
十和がそれに気づいたときには、すでに依織は布屋さんの前に立っていた。
「ぇ。メイドの衣装布から作るの?」
「らしいよ。理恵が作るんだって。このメモの通り、買ってきてって。」
「スゲー」
理恵は、ホッケー部のエース。
ここへはホッケーの推薦で入ってきた。大学もきっとそのまま
推薦で行くに違いないというくらい強い。
ま、見た目も強いけど。
でも、理恵は天然なのか、すごくそぶりがかわいい。
離したくないくらいかわいいのだ。

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