花が咲く頃にいた君と
あたしは、一体どうなるんだろう。


荷物を持ってるってことは、ここに住み込みで働かされるっぽい。


あたしを買ったのは、きっとエロいロリコン好きおじさま。


今度こそ、あたしの貞操は危ないかもしれない。
なんて漠然と思えるのは、このあまりにも現実離れした洋館?いや、お城のせいかもしれない。



「こちらへ、どうぞ」


お爺さんはあたしのボストンバッグを奪うと、すたすたとお城へと歩いて行ってしまう。


荷物が人質にとられた以上、あたしも後に着いていくしかった。


階段を登って辿り着いた玄関は、あたしからすればメルヘンワールドへの入口だった。



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