花が咲く頃にいた君と

「ねぇ、伊吹くんの部活見学していかない？」

「私も部活が有るわ」
「興味ない」
「パス」


日高のお誘いを口々に断り、それぞれ帰り支度を始める。


日高は唇を尖らせ、保泉の机の前に突っ立っている。


日高はギャルだ。今は、どうか知らないけど、年中男を取っ替え引っ替えしてる。


最近の日高は、伊吹くんにロックオンしているから、全くそういった話は聞かないけれど前まで本当に酷かった。

前の日には「誰々君が」と愚痴りながら、次の日には、もう違う男の名前が出てくる。

なんて言うか“恋多き女”だ。



別にそれが悪い訳じゃないし、それが“日高”なんだと思う。

けど、1つ言えるのは、あたしでは日高のようには成れないってこと。