億万色Love



あれ…

この部屋で合ってるよね?


さっき連はここから出てきたし、前も陽介くんがここに入るの見たし


ノック小さすぎて聞こえてないのかな


コンコン


ちょっと大きめに叩いてみた


…………シーーーーン‥‥‥



ちょっと…

いないの!?


早くしないと、連が戻ってきちゃうじゃない


"凜!ツレ来てねぇじゃねぇか!"

なんて戻って来られたら、次はなんて言い訳すればいいか分からない


コンコン!

「………」

コンコン!

「………」

ドンドン!!

「ちょっと陽介くん!いないの?」

思わず苛立ち、ドアを力強く叩いてしまった


なんでよ……

さっきまで連と勉強してたんだから、絶対部屋にいるはずなのに


ドンドン!

「陽介く…」
「りーん!!」


ギャっっ!!!


やばい………


連が呼んでる…!


渡り廊下の向こうで(つまり、七元家で)連が私の名前を叫んでるのが聞こえ、私は口を塞いだ


どうしよ

こっち来ないよね…?


っていうか、友達来てなかったんだ…

奇跡ぐらい起きてよ……


しかし

案の定、予感は的中して



渡り廊下のドアがガチャと鳴ってしまった


来たぁ………………


「凜!どこにいるんだよ!嘘つきやがって!来てたの近所のおばさんじゃねぇか!出て損したわ!!」


おばさん…?

でも誰かは来てたんだ



.
< 112 / 179 >

この作品をシェア

pagetop