億万色Love
叫びながら徐々に近づく連の声
どうしよう
どうしよう
条地家側の扉を開けば、連から私はまる見えになってしまう
下にダッシュして降りたいけど、階段は渡り廊下の扉の横にある
もし途中で見つかっちゃったら……
私がなんで条地家にいるのか、連に言いたくない
友達のことは、ぶっちゃけ気にしてないし
勘違いだった、ってことで片付くでしょ
そんなことを考えてるうちに
「りーん!こっちにいるのか?」
やばい!!
ガチャ…
連が条地家に繋がる扉を開いた
そして私は
「……こっちにいるわけないよな。母さん!凜どっか行ったの?」
連の声がだんだん小さくなっていき、静かになった
助かった…
なんとか連にバレなくてすんだ
私が隠れた場所
何度叩いても返事がなかったこの部屋に
思い切って入っちゃいました…
入ってすぐに本棚が3列並んでたから、その間の奥に身を潜めた
入ったのはいいものの、どう動けば…?
立ち上がり部屋を見渡してみたが、やっぱり誰もいなかった
この部屋…誰の部屋?
やけに本ばっかり置いてあるし、学生の部屋ではなさそう
政治家の部屋みたい…
じゃあ……
陽介くんの部屋は………?
ガチャ…
「っ?!」
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