億万色Love
「………お前」
「陽介……くん」
部屋の中心で堂々と立っていた私
部屋のドアが開けられ、入ってきたのは陽介くんだった
「ここで何してんだ」
「………えっと…」
勝手に人の部屋に入るなんて、絶対最低な人間って思われてる…
「…冗談。俺に用があるんだろ?なに?」
「……え」
「ドンドン叩かれると気付くだろ普通。キッチンまで聞こえてたぞ、お前の声と騒音。それに弟の怒りの声もな」
「………?!」
やっぱりココは陽介くんの部屋だったんだ
キッチンにいて、部屋が留守なだけだった
めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど……
「でも、まさか部屋に入ってるとはな。勝手に入っちゃダメなことぐらい知ってんだろ?」
「……ごめんなさい……」
陽介くんの顔が見れない
私………
ほんと消えたい………
「別に。で、なに?」
そう言って、陽介くんは本棚から分厚い本を何冊か抜き取り、デスクに座った
「あ……あの」
突っ立ったままの状態
急いで、ポケットから封筒を取り出した
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