億万色Love




「陽介くんのこと…はじめは、すっごく意地悪で最低な人だなぁって思ってて、苦手だった」


伝える

ちゃんと伝える


「でも、陽介くんが意地悪なのも私をバカにするのも、全部私のせいだったんだよね…。それなのに偉そうに反抗なんてしちゃって、余計ムカついたでしょ…。」


陽介くんの魅力を自ら、台無しにした私


なのに周りが陽介くんを好むのを不思議がって

陽介くんは感情も何もない最低男だと決め付けた


「陽介くんがみんなに好かれてる理由が少しは分かった気がする。陽介くんの魅力に気付いてみんな惹かれていく理由が」


私の急変した態度と、その話の内容に一瞬驚いた顔をした陽介くんだが、すぐにいつもの冷静な表情にもどった


扉は開きっぱなしのまま

至近距離のまま

私は言った



「陽介くんのこと、ちゃんと……………………正面から見ていこうと思う」


まだ分からないけど


陽介くんのことを勘違いしていたのかもしれない


今までの私たちは、思いっきりぶつかったり、かと思えば空気のようにすれ違ったり


喜怒哀楽の"怒"しか感じなかったけど


これからは喜んだり、楽しんだり、共に感じていきたいと思った



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