億万色Love




陽介くんのお気に入りの場所があったとしても、それを見つけるのは簡単なことじゃない


周りが言っている場所はデタラメだし、かといって大学内の隅から隅まで探し回るのも…‥もう嫌だし………(一回経験済み)



「それでね、私が聞いた場所は理事長室の前の部屋なの。そこで、いつも一人で勉強してるんだってさ」


理事長室の……前の部屋……


いわゆる"開かずの間"のことですね‥


そこは…まさに誤報なんです。(一回確認済み)


「そこは違うと思う…」

「え?なんで?」

「一回見に行った…」

「えっ?!見に行ったの?!…なんで?あ!まさかナナ…陽介くんのこと…」

「違う違う!おじさんに渡し物を頼まれた時に陽介くんを探しまくってたの。なかなか見つからなくて苦労してる時に、その部屋の情報が耳に入って行ってみただけだよ」


香留……あんた、目が怖いから…

「そうなんだ。でも、なんで違うって分かるの?」

「見に行った時には陽介くんの姿はなし。おまけに誰かが使ってるような様子もなかった。極めつけは"開かずの間"とか言っといて、普通に扉は開いてたしね。とにかくそこが1番無し!」


だいたい、理事長の息子だから、理事長室の前の部屋……

いかにも誰かが冗談か何かで発した言葉に違いない


「………そこだよ………」



「…………え?」





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