億万色Love




「ごめっ……私…!」


「………」


香留の名前を言ってしまった私は、これでもかってくらい動揺した

聞こえなかったのか、あまり興味がないのか、陽介くんは表情一つ変えない


目で訴えた


"私のこと攻めないで"

"聞かなかったことにして"


でも陽介くんは、そんな訴えをよそに


「あぁ、合コンの時の酔っ払い…。そうか…"香留"さんのためにお前が必死になってんだな」


「………///」


香留の名前を強調した言い方…


面白がってる…?


「なぁ」

「…ハイ」

「直接呼んでこいよ」

「……ふぇ?」


呼んでこい…よ?



「そいつ。ここに連れてこい」

「え……香留のこと?」

「他に誰がいんだよ。」

「なんで?」

「俺のこと調べられるよりマシだから。お前のツレだろ?だったら話しをつけた方が早い。明日連れてこい。大学じゃ目立つからな」


そんな急に……


っていうか、香留になんと説明すればよいか?


…その前に、話しをつけた方が早い、っていうのは…?


「香留になに言うの…?」

「なにを言ってほしい?」

「なにをって……」

「俺のこと知りたいなら、ここに来いって伝えろ。それだけだ」



……そんな展開……


きっと香留は困惑するよ…


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