億万色Love


「え…今どこにいるんですか?寝てるって…」


コンパ中に寝ちゃった?

それとも…


『公園』


「公園!?な、なんで?」


『…知らねぇよ…、みんな先に解散していなくなるし、こいつが急に寝だすから…』


もう…香留ったら…


なにも公園で寝なくても…

こんな時間まで何やってんのよ



「分かりました。今から行くんで、場所教えてもらえますか?」



言われた場所は引っ越す前の家の近所だった


そこからだと香留の家も近い


でも…ここからだと、その場所まで2時間は掛かる…


すぐタクシーを呼んでそこに急いだ



街灯が数本照らす薄暗いその公園に入ると、二つの影をすぐ見つけた


え…

タクシー行っちゃった…


"待っててください"って言ったのに…


また呼ばなきゃいけないじゃん‥


そんなことを考えながら、寝ている香留に近づいた


ベンチに横になって寝ている香留
その横で座って待っている男性


「あの‥」

私が声をかけると、見上げた男は


「…じゃ、後はよろしく」


って言って立ち上がった


"後はよろしく"…?


「…ちょ、ちょっと…!!」


「…なんだよ」


振り返りガン飛ばされた私


…‥こわ


…‥じゃなくて!!




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