億万色Love



「…なんだよ。てかお前叫ばないと話せないの?」


「違うよ!昨日のタクシー代、私が払ったんだからね!あんたが先に降りちゃうから…」


「………、そういうのはちゃんと確かめて言え」


「え…?」

「……まぁいい」

「……?」



何言ってんの…?

意味不明なこと言わないでよ


「あのねぇ、払ったんだからお礼ぐらい言ったらどう?」


何を言ってるのか分からないけど、タクシー代を払ったのは間違いないんだから、お礼ぐらい言ってもらわなきゃ


すると陽介くんは、ゆっくりと私の方に向きを変えた


顔はチョー不機嫌…



「どうも。………これでいいか?」


それだけ言うと向きを変えて再び歩きだした


どうも、って…‥


しかも"これでいいか?"ってなに?


あんな不機嫌な顔で言われたって満足しないから‥!


あいつ、どこまで人間腐ってんのよ‥


余計ムカついてきた‥


「ちょっと!!あんた常識ってもん知らないの?人にお礼をする時ぐらい、もう少し愛想よくしなさいよね!S大行ってるくせにさ‥。やっぱり思った通りだね。天才って、単純なことにはバカなんだ」


「…!」


陽介くんの足が止まった



…なによ?



………や、やる気……っ?




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