億万色Love




近付いてくる陽介くん


真ん前に来たその姿は…


笑っていた…‥



「お前みたいに"バカ大"行ってた奴よりかはマシだ。S大なんか来て、"付いていけません!"なんて泣くんじゃねぇぞ?ま、ムリないか。所詮バカ大だもんな。せいぜい頑張って」


………はぁ?


バカ大って、A大のこと?!


………あったまきたっ!!!!



「言ってなさいよ!一応、成績は良かったんだから!誰が泣くもんか!S大でもみせてやるわよ、私の意地を!!」


「へー。それは楽しみだ。せいぜい頑張って。凜ちゃん」

「ちょ‥っ」



私が持っていた買い物袋を取り上げて行ってしまった…‥


5この買い物袋を軽々しく持つ陽介くんを後ろから見つめる


一体なにをしたいのか分からない‥


それでタクシー代をチャラにしようたって、そうはいかないんだから…ー


「………なによ…」


広がった距離を縮めるように早歩きする…‥


不機嫌な顔したり、かと思えば不意に笑ったり‥


乱暴だけど、

今だってきっと‥



彼なりの優しさ…?


私の気持ちも動揺が隠しきれないほど、混乱していた


こんな人って…


どう相手すればいいの…?




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