億万色Love


「「「かんぱーい!!!」」」


引っ越し祝いのパーティーが始まった


予想通り、条地家のダイニングで行われたこのパーティー


料理がずらーっと並び、連以外はお酒も頂く

「凜ちゃんと連くん、どうだ、こっちにはもう慣れたかな?」


乾杯が終わると同時におじさんが聞いてきた


「あ…はい」


二人で愛想笑いする…


連も同じようで、慣れてないみたい

昨日の今日で慣れるわけないでしょ


「昨日来たばっかりなんだから慣れるわけないだろ。とくにS大なんか一生かかってもムリだ」

「………」


いちいちとムカつくな…


真横で私だけに呟く最低男を睨む…

くそぉ…


食べ方まで気取っちゃってさ…



普通の女なら惚れるんだろうけど、私は有り得ない


そんな姿まで憎たらしく見えちゃうもん…!



「………」

「………」


カチャカチャと食事中独特の音が流れる


気まずい…


楽しそうに話す両親や春人くんたちを眺め、ため息がでる


黙って食べてるのは私と…


こいつだけ。



だいたいこの席はなによ…


なんで私がこいつの横に座んなきゃいけないの!?


オジ 私 陽介
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テーブル
________
父 母 連 春人


↑さて、どこがおかしいでしょうか…?


正解は…

私と春人くんの席が普通は逆だよね


なぜ?

そこはあえて聞かなかった

んでもって横に座る最低男にも何も触れずに食事を進めた






.
< 32 / 179 >

この作品をシェア

pagetop