億万色Love
「食べないなら、どけろよ」
「………」
少しの間おじさんの話を思い出し、感情に浸っていると、横から嫌な声が聞こえてきて私の気持ちは一気に下がった
「食べるわよ!」
「じゃあ早く食えよ。お前がいると狭くて暑い」
「あ……つ?!」
暑いって…
私はデブかっ!!
…こんなやつの中に、あの素敵な血が流れてる!?
有り得ない!!!!!!
「これからは食卓も賑やかになるな」
「でも奥さん、作る量が増えて大変だろ」
「そんなこと。家族が増えたみたいで、毎日が楽しみだわ」
「ならよかった。お前ら、これからはこの味がお袋の味になるんだぞ?」
「あらやだ」
「「「はははは…」」」
笑って話す親たちの会話を聞いて、動きが止まった
なんかおかしい…?
うん、おかしい。
食卓が賑やかになる、あたりから引っ掛かってた…
もしかして…
「あの…」
「ちょっと待って。まさかこれからずっとこっちで…?」
私の言葉は陽介くんの言葉で消えてしまった
「そうだよ。とりあえずは晩ご飯だけだが、みんなが揃う時は毎食でも構わんぞ」
うそ……ー
なんでこいつと毎食共にしないといけないのよ…
散々な親たちの遊びに振り回され始めた子供たちなのだった……
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