億万色Love
「はい、これね。あと、これも」
「あ、すいません」
おじさんは何冊かの本とジュースを持ってきてくれた
「凜ちゃんはA大でも、外国語を学んでたんだよな?」
「はい。英語専門でしたけど」
「だと思って学部は外国語学部にしといたから。その中でも英語とドイツ語専門ね」
「あ、はい!分かりました。ありがとうございます」
よかった…
私は中学の時から英語だけは得意で、A大でもそれを活かしてた
どの学部なのか不安だったけど、これならなんとか大丈夫そうだね
貰ったばかりの教科書を開いてみると、レベルは高くなってるけど、理解できそうだった
横で香留はニコニコしながら、私が持つものを眺めていた
「どうしたの香留。ニヤニヤしちゃって」
「ん?あぁ‥やっぱり羨ましいなぁって思って。その本もあの本も私には持つことのできない物じゃん?なんか‥ナナが一気に遠くなっていく気がする‥」
「………」
笑ってるけど、どこか暗い表情
そんな私たちの様子を見てか、おじさんはそっと口を開いた
「香留さん、凜ちゃんとは付き合い長いの?」
「はい♪高校で知り合って、入学式で隣同士、意気投合しちゃって。それ以来、ずっと仲良しなんです。」
「そうか。なら明日から違う大学になるのは辛いことだよな‥」
「…‥そうですけど、でも仕方ないんで」
香留はまた笑って答えた
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