億万色Love
香留…‥
私がS大に行くことを羨ましがってるけど、
私はね、香留がA大にいれることの方が羨ましいんだよ
二人で決めて、必死に勉強した
合格発表の日だって、あんなに緊張して、自分の番号を忘れちゃってさ……笑
それぐらい
必死になって二人で頑張ったよね
これからも一緒、って…
あの中庭のベンチだって、いつしか待ち合わせ場所みたいになっちゃってて
とにかく楽しかった。
私だって…
辛いよ……
香留が我慢して笑顔作ってるの
余計………辛いよ……
「香留さん、外国語は得意?」
突然、おじさんは変なことを香留に質問した
「いえ…外国語はちょっと…。私は理数科だったんで…」
「理数科か…。なら、うちには理工学部があるんだが、入らないか?」
「ぇえ?!」
香留よりも先に私が声を上げた
おじさん…?!
優しく笑うその姿に、香留もただ目をパチクリさせるだけだった
「凜ちゃんもその方が、早く慣れると思うしな。なにより、君たちが離れ離れになってしまうのは、わしから見ても辛く感じるんだ。子供たちを巻き込んでしまった親の気持ちってのは、すごく寂しいものがあるんだよ…。七元くんもきっと賛成するさ。」
おじさん………
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