億万色Love



香留…‥


私がS大に行くことを羨ましがってるけど、

私はね、香留がA大にいれることの方が羨ましいんだよ



二人で決めて、必死に勉強した


合格発表の日だって、あんなに緊張して、自分の番号を忘れちゃってさ……笑



それぐらい

必死になって二人で頑張ったよね

これからも一緒、って…


あの中庭のベンチだって、いつしか待ち合わせ場所みたいになっちゃってて


とにかく楽しかった。


私だって…


辛いよ……



香留が我慢して笑顔作ってるの


余計………辛いよ……




「香留さん、外国語は得意?」


突然、おじさんは変なことを香留に質問した


「いえ…外国語はちょっと…。私は理数科だったんで…」


「理数科か…。なら、うちには理工学部があるんだが、入らないか?」

「ぇえ?!」



香留よりも先に私が声を上げた


おじさん…?!


優しく笑うその姿に、香留もただ目をパチクリさせるだけだった



「凜ちゃんもその方が、早く慣れると思うしな。なにより、君たちが離れ離れになってしまうのは、わしから見ても辛く感じるんだ。子供たちを巻き込んでしまった親の気持ちってのは、すごく寂しいものがあるんだよ…。七元くんもきっと賛成するさ。」


おじさん………




< 45 / 179 >

この作品をシェア

pagetop