億万色Love
「どこまで付いてくるつもり?」
「うるせぇ。俺は心配だから、頭下げて頼んだんだ。エリートだか何だか知らねぇけど、ちょこちょこ変なやつもいるって噂だしな」
「なにそれ。素直に言いなさいよ。僕はストーカーです、ってね!」
「す、ストーカーじゃねぇ!俺はいつも正々堂々としてるし」
「正々堂々としてたら何しても良いってわけ?いい加減気付きなさいよ。ナナの反応見たら分かるでしょ」
「お前には関係ない」
理事長室を出てから、香留と亮はずっとこんな調子で言い合ってる
まさか…また揃うとはね…
「じゃあ私、次授業あるから」
後ろで言い合ってる二人をよそに、教室に入ろうとした
「ちょっと待って!俺も受ける!」
「はい?あんたはまだでしょ!本も何も持ってないのに無理じゃん」
亮の突然の言葉に素早く香留が返事した
「一限だけだよ。どんなのか見学しないとな」
「あんたね…。もぅいいから今日は帰んなさいよ!!」
「つーかさ、香留こそ早く行った方がいんじゃね?教室向こうだろ?初日早々から遅刻は恥ずかしいぞー」
「……あ」
思い出したように慌てる香留を見て、少しにやける亮
「ほら、早く行けよ」
「うるさいな。ナナ、じゃあ私行くね。こんなやつ相手にしなくていいから!」
「う、うん…」
"なに?"と威嚇する亮に、香留は舌を出して足早に行ってしまった
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