億万色Love
「ったく、あいつはいちいち可愛くねんだよな…。一言多いとゆうか…」
「お互い様でしょ」
私は軽ーく突っ込んだ
教室に入るなり亮は「すっげ…広ぇー」と感動していた
一番後ろに座り、亮がベッタリと横に座る
「ちょっと…離れてよ…」
「なんで」
「いいから!」
「………」
一つ座る位置をずらし、亮は顔を伏せた
「ねぇ見学するんでしょ?伏せてどうすんのよ」
「…………俺って、邪魔?」
「え?」
急になによ……
伏せた顔を引き上げて、私を真剣に見つめる亮に戸惑いを隠しきれなかった
「ナナは俺の存在が邪魔だと思う?」
「なんでそんなこと聞くの…?」
「だって………」
亮は再び顔を伏せてしまった
そしてこもった声でこう言った
「転校したことも引っ越ししたことも何も言わないし、携帯だって繋がらないし…。まじでショックだった」
携帯が繋がらないのは壊れたせいで…
まぁ亮からの連絡を拒否するのにピッタリだと思って買ってないのは確かだけど……
「別に…邪魔とか思ってないよ」
「……ほんと?」
「でも…今日みたいに、やり過ぎたことされると本当に困るから止めて」
「…わかってる。反省してるよ。でもさ、俺も分かんねんだよ。ナナのことになると自分でもストップかけられないんだ…」
「そ、そこをなんとか自分で止めないとさ…、って私が言うのもなんだけど…」
「……香留に言われたの当たってるかもな」
「なにが?」
.