億万色Love




「大丈夫!っていうか、もうこの方法しかないしね」

「なんで?」

「だって、今日の朝津上くん言ってたじゃん。もう心に決めた人がいるから、僕のこと好きになった人がいたら今からお断りしときます、って」

あの自己紹介…

やっぱりみんなしっかり聞いてたんだね…‥

しかも、ここに一人真に受けてる人もいるし‥


「だから、もう七元さんに頼るしかないの。七元さんは津上くんのこと好きじゃないんだし、そうなると津上くんの気持ちとか正直ウザいでしょ?ここは一石二鳥ということで、私に協力してねっ♪」

「………」


ズバリと言い放った矢島華子を、ただただ見つめるだけの私

「ね?」という問い掛けに、思わず頷いてしまった


「よし、じゃあ明日から作戦実行ね!二人は今からお友達♪じゃ、私は帰るから。またね」

「…あ、うん」


なんなの……

私ってこんなに押されるタイプだったかな…

いや、矢島華子が特別にキャラが濃いだけだ


私……

こんなのに協力しちゃって良いのかな

頷いてしまったけど、亮には敵わないような気もする…


でも、亮に彼女ができるのは悪くないよね

矢島華子の性格には多少問題があるけど、きっと本気で亮のことが好きなんだと思う


香留の時とは、また違った協力のしかただけど

久しぶりに、働きますか!

また一人になった教室で、なぜか前向きな私なのでした。




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