一途に…
恋に恋して

始まり

3年生なってもう1ヶ月。
だいぶ新しいクラスにも
慣れてきたころ、
あたしにも
春が訪れようとしていた。




一つ上の先輩。
つまりついこのあいだまで
同じ学校で生活していた人。
朋輝(トモキ)。



ここ最近毎日のように
メールしてる。
ほんとにたわいもない
会話なのに楽しかった。





今日の晩御飯のこと。
毎日の授業のこと。
嫌いな先生のこと。






どーでもいい内容なのに
楽しくて……
途切れることがなかった。






でもそれわ
メールの中でだけ。
まともに直接
話したことなんてない。
ましてやアタシは
男友達なんていないし
男子と喋るのは
緊張するから嫌い。






でも朋輝とだけは
話せる気がして
いつかそんな日が
こないかな…なんて
少し期待してる
自分がいた。






その「いつか」が訪れるのに
そんなに時間は
かからなかった。


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