ブルービースト

「肝っ玉が据わってるよな。なかなかあんな女いないだろうに」


「あら、ここにいますけど」


「ん、おぉ、そうだったな!」



微笑むセリナに声をあげ笑うアサギ。


するとセリナは怪我人に気付いたのか、ふと真顔に戻ると駆け出した。


一人になったアサギ大将は、戦う仲間たちを見て目を細める。



「レイツもセリナも強くなってる。嬉しいな、昔の教え子が育つのは。ユノちゃんも変わったし」



それにしても丸くなったユノちゃんはアイツそっくりだな、と苦笑い。


きっと昔の仲間が見れば大喜びするに違いない。






──…シャオルさんが二人だ、と。









(……いや、三人か)



そう思い直してアサギは微笑む。





「…懐かしいな」



軽く飛んできた銃弾を避けた。


自分が死ぬわけにはいかない、彼を遺して。



その三人目でもある彼をまた探し、少しキョロキョロするアサギ。



目立つ彼はすぐに見つかった。


見といてやるからよ、と言ったからには見るしかないだろう。





「…………ん?」




次々と敵を倒していく彼。


味方までもを圧倒し舞う姿は、まさしく彼の異名そのもので。





しかしアサギは眉を潜めた。



微かに感じる、違和感に。








「アイツ──…?」












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