ブルービースト

-Ⅲ-


「おかえり。お疲れさん!」



特殊部隊の遠征一回目の衝突は、無事ルビアニス国側の快勝に終わった。


最後まで戦場に残っていたらしい第一班と第二班のメンバーは、テントに入った瞬間目についた光景にほっと息をつく。




「アサギさん、セリナ」


「茶淹れといたぜ!今日はもうゆっくり休めな」


「淹れたのは私だけどね」



一番最初に入口をくぐったレイツは、和やかにお茶を啜る二人に苦笑いした。

ども、と一言返し、返り血のついた上着を脱ぐとそれを受け取る。


彼が床に腰を下ろすと、第三部隊の二人、ユノとクライドと順番に残りの面子が入ってきた。


その中の一組を見て、アサギは目を見張る。




「ユノさん、素晴らしかったです!こんなにお強い女性、そういないでしょ!」


「うるさい、くっつかないで下さい。何なのアンタ」


「そう言わず、あ、照れてるんですか?」



不機嫌なユノにやたらひっつく、クライド。


それを見た瞬間まるで打ち合わせでもしたかのように息ピッタリと、アサギとセリナとレイツは額を寄せ合った。





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