ブルービースト
「おい、何だあれは」
「ユノの予想外の強さにやられたみたいっスよアイツ」
「クライドあんなキャラなのかセリナ」
「大将、私も今恋は盲目って言葉を思い知ったところよ」
迷惑そうなユノに怯むことなく着いていくクライド。
ラルフとダグラスも驚いているらしい、彼らはユノとクライドから少し距離を取った。
そうして三人が騒いでいると、最後にテントに入ってくるあの人。
「ブロードおかえり」
すかさずアサギが言えば、ブロードは上着を脱ぎながらへらりと笑った。
…笑った、のだが。
くっつくユノとクライドを見た瞬間、それは驚きの表情に。
そのまま彼はしばらく二人を凝視しまくっていた。
それにユノが気付いて慌てれば、へらりとも違う爽やかな笑顔が整った顔に現れる。
「ユノただいまー」
「あ、お、おかえりなさい」
「怪我してない?」
「は、はい。あ、ブロードさんは…」
「だいじょぶだよ」
…爽やかさが逆に怖い。
言い様のない恐怖を感じたレイツは、上着を脱ぎ出したブロードから視線を外した。
そうしてマッハの速さでまた額合わせの円に戻る。