ブルービースト
-Ⅱ-
「ゔえ゙ぇ゙え゙……」
───東海岸に接する町、ユンデル。
そこの外れに降りたヘリコプターから降りて来た茶髪の男が、何とも下品な声を出しながら地に転がった。
そんな鬱陶しい男──レイツを踏みつけながら次に降りて来た黒髪の女、ユノは足の下の彼には見向きもせずにスタスタと一定の距離を進み停止する。
振り返ってヘリコプターから降りて来た人達を見ると、首を傾げた。
「で、どうするんですか?個人で別々に戦うか、数人に分かれて戦うか」
その質問の矛先を向けられたブロードは、縛った髪を弄りながらポカンとアホ面を晒す。
ユノは彼のその表情にまさかと思い、超不審そうな視線で蒼い目を射抜いた。
ブロードはハッとしてふるふる頭を振ると笑顔で言う。
「えっと、第三ではそういうパターンがいくつか考えてあったのかい?」
「…………………。」
“まさか”な予想が当たってしまった。
ユノは絶句してブロードを愕然と見る。