ラスト プリンス
「色気ないですねぇ」
上から柔らかいのに少し刺のある声が、頭には優しい感触が。
ゆっくりと瞑っていた目を開ければ、目を細めてククッと喉の奥で笑う耕太の姿。
たぶんこの耕太は、敬語と口調が荒い時のちょうど間くらいだと思う。
ふふっと。
あんたが引っ張ったから倒れたんでしょ、という言葉を飲み込んで笑ってみせた。
「危ないわねぇ」
「まあ、俺が引っ張ったんですからね」
「最低ね。レディを引っ張るなんて」
「ふっ……。いいじゃないですか。たまにはこうやって頭なでられるの、子供に戻ったみたいで」
「少し戻りすぎじゃない?」
言ってることがなんだかおかしくてクスクス笑っているのに合わせて耕太が頭を撫でてくれる。
分かってるわよ?作戦だってことくらい。
でもね。不思議と安心しちゃうの。
なんだろ………恋人とかじゃなくて、家族……お兄ちゃんみたいな。