ラスト プリンス


「ちょっと?!何考え――ぎゃああぁっ!」

 独特の浮遊感に、重力に従うあたしの身体。

 こいつっ!! あたしを向かいのソファーに放り投げやがった!!

 いきおいよくソファーに落ちたあたしは、心臓がバクバク鳴っていて口から飛び出るんじゃないかって思ったほど。

 息が上がって言葉が出ないあたしは、ギロリと耕太を睨む。

「ふっ。色気ねぇな」

「よ、余計なお世話よっ!!」

「……ピンクのチェック。ガキみてぇなパンツだな」

 ぱぱぱぱぱーっ!!

 バっと下を見れば、放り投げられた所為で、スカートが捲れていて、ピンクのチェック柄のパンツがお披露目状態。

 お気に入りで良かった……じゃなあいっ。

「変態っ!!だいたい、人を何の前触れもなく放り投げるってどういう神経してんのよっ」

「おめぇが短いスカート履いてんのが悪ぃんだよ。見たくて見たんじゃねぇし」

「ありえないっ!もとはと言えばあんたが悪いんでしょっ」

「ぎゃあぎゃあうるせぇんだよ」

「うるさいって、あんたねぇ………あっ」

 カイさんお仕事中なのよね。

 耕太が悪いとしても、大きな声で叫んだのは、お仕事の邪魔だわ。

 振り返ってデスクに向かうカイさんを見れば、普段笑顔からは想像できないくらいの真剣な表情。

 ソファーの背もたれに両腕を置いて、ちょうど手の甲に自分の顔を乗せる。

 はあ、かっこいい……。

 何時間でもうっとり見つめていたくなるような、その表情。


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