ラスト プリンス
「うわぁ……耕太の爆笑、久しぶりに見た」
「久しぶり?」
「うん。確か、最後に爆笑を見たのは猫が猫に馬乗りになってるのを見た時だから、半年ぶりくらい」
「猫が猫に馬乗り?」
「人間さながらの正常位だって言って、写メ送ってきたよ。 こっち戻ってきてもずっと笑いっぱなしで仕事にならなくてね」
見る?と携帯を開くカイさんに、首を振ってみせた。
あんなほんわかしてる可愛い猫の、人間さながらの正常位だっていう奇跡の一枚なんて見たくないじゃない。
一度見たら忘れられなくなって、どの猫見ても思い出しそう。
「ツボが人とかなりズレてますね。普通だったら、引きますよね?」
「送られてきたときはさすがに引いたね。で、さらに帰ってきて笑ってた耕太にも引いた」
「……ですよねぇ」
しばらく笑ってると思うから、とカイさんはコーヒーメーカーの置いてある棚へ歩いていく。
なんとなく、その後ろ姿について行けば、コーヒーメーカーからステンレス製のサーバーを取出し、マグカップに傾けた。
へぇー。そうやればいいのね。
名前は知ってたんだけど、使い方がイマイチ……ほら、家にはあるけどいつも家政婦さんがやってくれるから。