緑の魔法使い
「目が覚めた?」

「み、水が・・・」

「うん。待ってて」

言い残して家の外の水瓶の所に新鮮な山水を汲みに行ってくれた。

「冷たいから、ゆっくり飲んで」

体をあまり動かさなくて済むようにストローで飲ましてくれるも、まるで砂を飲むようで上手く喉を通らない。
むせ返る私に背中を擦ってくれた。

「大丈夫だよ」

日頃の冷たい物言いからは想像が付かない位の優しい声に言葉が続く。

「飲めるならもうちょっと飲んだ方が良い」

喉が渇いているのも手伝って、がんばってコップの半分ほど何とか飲めば、少しだけ意識がすっきりとした。
振り向いた横には小さなテーブルがあって、何か勉強をしていたらしい。

「眩しかった?」

言って伝記を消してしまうと暗さだけが目に付いて、帰って不安になってしまった。
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