【続】俺様王子と秘密の時間
「……慎のそういうところ嫌いじゃないわよ。ただ恥ずかしくて」
はーちゃんは佐久間の方へ顔を向けた。
あのはーちゃんがこんなに真っ赤っかなのは、かなりレアだよ。
「オレの前では強がるなよ」
佐久間くんはメガネを外した。
覗き見するあたしからメガネのない、素顔の佐久間くんが見える。
「べ…別に、強がってなんか!」
眉を下げてはーちゃんを見つめる理知的な瞳は優しく緩んで、少し睫毛を伏せる表情が綺麗だった。
そして二人の顔が近づいて……。
ん?
まさか、キスするわけじゃ……。
と思った時には、二人の唇は重なっていた。
「ぎゃっ……!」
予想外の出来事につい声をあげてしまった。
はーちゃんにバレたら雷が落ちてくるから、今すぐ逃げなくちゃ!
その場を離れようとした直後。
「シイ……!!」
きゃあああああああ!