【続】俺様王子と秘密の時間
「あのね、シイ?自分のことをそんなに想ってくれる男って、そうそういないもんよ?わかる?」
はーちゃんの言う通りだ。
羽鳥はあたしなんかを好きでいてくれる。
ただの凡人でなんの取り柄もないちっぽけなあたしを。
そんな人、滅多にいない。
「アンタが好きなのよ。自分を見失う程にね?」
はーちゃんの声はいつだって真っ直ぐだ。
あたしもしっかりしなきゃいけない。
「羽鳥って報われないわよね」
黒い髪をくるくると指に巻きつけながら言う。
「1年の頃からアンタが好きなのに、可哀想なヤツめ……」
はーちゃんは笑ったけどその笑顔は弱々しかった。
「あたし知ってたわ。シイに向けられてる羽鳥の優しさが、1年の時から誰より特別だって。あたしは気づいてたよ?」
はーちゃんの言葉を聞いて目頭が熱くなった。